特別受益と寄与分|遺産相続に関する基礎知識8/16

特別受益と寄与分

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1:相続とは 2:相続手続き 3:相続財産 4:相続放棄と相続の承認
5:法定相続人 6:法定相続分 7:遺贈・死因贈与 8:特別受益と寄与分
9:相続欠格・相続廃除 10:遺留分減殺請求 11:遺産分割協議書 12:遺言書
13:遺言執行業務 14:遺産の調査・評価 15:成年後見・任意後見 16:事業承継


特別受益と寄与分

特別受益と寄与分|遺産相続に関する基礎知識8/16

■特別受益

相続人のうちの特定の者だけが相続開始前に特別な贈与を受けていた場合や、相続人のうちの特定の者だけが相続開始前に被相続人の財産の形成や維持に貢献をしていたという場合、残された遺産のみを分配したのでは不公平になる場合があります。
これらを調整するための制度が「特別受益」と「寄与分」です。

被相続人から生前贈与などの特別な利益を受けたものがいる場合、受けた者と受けていない者の間で不公平が生じる事があります。
また、被相続人から遺贈を受けたものがいる場合にも、受けた者と受けていない者の間で不公平が生じる場合があります。
このような場合、不公平とならないように、遺産の総額にこれらの生前贈与や遺贈も加え、生前贈与や遺贈を受けた相続人はその分を相続したものとして計算し、遺産分割をする必要があります。
この、分配を修正する必要のある特別な受益のことを特別受益といいます。
民法上、特別受益の対象となるのは以下の3つです。

①結婚や養子縁組に起因してなされた贈与
②生計の資本として与えられた贈与
③遺贈


そして、特別受益を受けた者のことを特別受益者といいます。
特別受益となるものは、金銭に限りません。
不動産や車、有価証券、さらには学費や生活費の援助、事業に関する援助などもすべて含まれます。
そして、その価額は相続開始時の評価額によって計算をします。
ただし、相続開始時に滅失その他の理由により価値がなくなっていても贈与当時のまま現存するものとして計算されます。
特別受益となるかならないかは、その被相続人の社会的地位や資産によって判断されるため、はっきりとは断定出来ませんが、おおむねは以下のとおりであるとされています。


  • 相続人のうちの1人だけが不動産や車を贈与された場合
  • 相続人のうちの1人だけが住宅取得のための費用の援助を受けた場合
  • 特定の相続人だけが生命保険金の受取人となっている場合
  • 特定の相続人だけが借金を肩代わりして払ってもらっている場合
  • 相続人のうちの1人だけが大学の入学金や学費などの援助を受けていた場合
    (※ただし、私学の高校の入学金や学費については特別受益にはならない、とされています)
  • 相続人のうちの1人だけが結婚に際して受けた支度金や持参金を受けていた場合
    (※結納金や挙式の費用については特別受益にならないとされています)

遺産の総額にこれらの生前贈与や遺贈も加えたものを「みなし相続財産」といい、生前贈与や遺贈を受けた相続人にういてその分を相続したものとして計算することを「特別受益の持戻」といいます。
なお、被相続人は遺言書などで「持戻免除の意思表示」をする事が出来、この意思表示をすることによって特定の相続人が受けた特別受益が相続分から控除されない(持戻されない)ようにする事が出来ます。
※ただし、持戻免除された分に遺留分が侵害された場合には減殺請求が可能です。


■寄与分

特別受益とは逆に、被相続人の財産の維持や増加などの特別な貢献(寄与)をしたものがいる場合も、貢献をした者と貢献をしていない者の間で不公平が生じる事があります。
このような場合、不公平とならないように、遺産の総額にこれらの貢献(寄与)分を控除し、維持や増加に貢献をした相続人にはその分を相続とは別にして計算し遺産分割をする必要があります。
この、分配を修正する必要のある財産の維持や増加などの特別な貢献をのことを「寄与分」といいます。
※寄与分の制度は昭和55年に導入された制度です。

民法上、特別受益の対象となるのは以下の3つです。
①被相続人の事業を手伝うなど労働力を提供するか、資金援助や出資等をした場合
②被相続人に対する療養や看護をした場合
③その他被相続人の財産の維持、増加について特別の寄与をした場合

※認められた判例としては以下のような事例があります。

  • 被相続人と家業に励み、被相続人の財産増加に貢献した長男
  • 長年にわたって被相続人を看病し、被相続人の不動産も自己の収入で購入した妻

寄与分は、あくまで特別の貢献をしたと認められる場合に限られます。
親族間には一般に扶養の義務がありますので、通常の扶養の範囲内の事柄は寄与分とはなりません。
そのため、寄与分はその証明も価額の計算も難しく、原則として相続人全員の協議によって算定する必要があるため、なかなか認めてもらうことが出来ません。
よって、その貢献に対する感謝の形を伝えたいのであれば、遺言書を作成しておくことが有用です。
※相続人全員の協議で話がまとまらない場合には、家庭裁判所に対する調停の申立によって決することになります。

実務上、寄与分と特別受益は一緒にあわせて計算を行います。


 ※相続財産の計算式         

相続開始時の財産(A) + 特別受益(B) - 寄与分(C) = みなし相続財産(D)     

※借金等(債務)は分割して承継されるため、計算には算入をしません。

遺産分割協議においては、上記の「みなし相続財産(D)」を法定相続分によって分配することになります。
この寄与分を主張出来るものは、相続人に限られます。
遺贈を受けた第三者や欠格者、廃除された者、相続放棄をした者、などは該当しません。




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